過失割合について
- 保険会社から過失という言葉を聞いた。
- 過失割合が○○対○○と言われた。
事故に遭ってしまいますと、保険会社から過失割合についてお話があるかと思います。
では、この過失割合、数値が大きいと、治療や保障にどのような影響を出してくるかをご説明していきます。
過失割合とは?
この過失割合、字のごとく、今回の事故に関して、どちらがどれだけ非がありますよという割合です。この過失割合に沿って、保険の使われ方が変わってきます。
例えば、ご自身に非がなく、100:0とすると、完全に相手方の非がありましたよ。ということになり、保険を最大限に利用して治療や修理ができるようになります。反対に、数値が大きくなると、それだけご自身に非があったことになり、相手の治療や保障をしていかなければなりません。
従って、この数字を簡単に受け入れると、大変なことになりかねませんので、ご自身の非がないと感じていたときはしっかりと議論、見直しをしてもらうようにしていくのが良いと思われます。
ただし、過去の判例などが参考になるため、なかなか大きく変わることは少ないようです。
過失割合によって制限がかかる保険治療
交通事故において、双方になんらかの過失がある場合、被害者側が加害者側から受ける損害賠償の額から被害者側の過失相当分が差し引かれることになります。これを過失相殺といいます。
例えば、車同士の衝突事故で、Aさんが治療費として50万円分かかったとします。
この際、もしAさんの過失割合が0であれば、相手方のBさんから50万円の損害賠償を受けられます。しかし、Aさんの過失割合が20%であった場合、損害額50万円から20%分が差し引かれて、Bさんからの損害賠償額は40万円となります。
自賠責保険の場合は、被害者保護の観点から被害者側の過失が70%未満であれば保険金の減額はありません。上記の話は任意保険に切り替わった場合です。
ですから、自賠責保険の範囲内で治療が終われば過失割合はあまり関係無いことになります。
また過失割合が100%ご自身に非がある場合、治療の幅が狭まってしまうことがあります。
当院での経験では、自損事故で負傷してしまったときに、自賠責保険や人身傷害保険の使用が制限され、健康保険を使った治療に制限されたことがありました。
健康保険は「国民が最低限の生活を送れるための保険制度」と記載があるように、あくまでも最低限の治療なので、満足のいく治療を受けられない可能性が出てきてしまいます。
過失割合があっても受けられる保険
前述しましたが過失割合があっても、100%でなく、車同士の事故の場合は自賠責保険が使用できます。
この場合は普段と変わりなく治療を受けることができます。ただし、自賠責保険の限度枠を超えてしまいますと、過失割合が関係してきます。その点に注意が必要となります。詳しくは当院スタッフへお尋ねください。